花子のお仕事体験談

始めたきっかけは一つの体験談を書き記すためでしたが、そのあとは何か面白い話も書きつづれたらいいなと思っています。ブログアイコンは大好きなもじゃクッキーさんのイラストです。

行き着くところは専門家

このブログは、通販の不払い者と闘う中小企業者の体験談です。連載形式になっておりますので、気になった方は

怪しい注文 - 花子のお仕事体験談

からご覧ください。

2019年11月。

ひまわりほっとダイヤル 日弁連の中小企業向け弁護士予約サービス

に電話しました。相談に乗ってくださる弁護士さんを紹介してもらえるとの事で、後日ある弁護士さんから直接電話が来ました。

まずは30分無料相談できるので面会のお約束。

私の人生においてまさか弁護士さんにお世話になるとは。私は緊張感を持ちながら、説明するためのありったけの資料を用意しました。

K県女性名の方からの注文メールや返信メール、商品到着の証明として送り状控え、K県女性名の方と思われるメルカリアカウントのスクリーンショット、そこで売られたウチの商品のスクショ、メルカリに問い合わせた返信メール、これまでの経緯をまとめた文書も作りそこに質問項目もまとめました。

後日、いざ弁護士事務所訪問。自分よりは若干年下かなという感じの男性弁護士さん、30分無料相談ですが多少オーバーしても問題ないですよと言ってくれました。

 

質問項目

  1. 詐欺ではないのか
  2. メルカリに情報開示請求は可能か
  3. 当該メルカリアカウントを削除させたい
  4. 同業他社さんも同様の被害に遭っている懸念がある
  5. 代金回収について今後どう進めたらよいか

 

詐欺ではないのか

警察に相談した時と同じ答えでした。

物を手に入れるためにウソの情報を使って騙した場合は詐欺。

私は食い下がりました、でも代金を払う前提なのに払わない、また家族へのプレゼントだと言ったのに転売している、転売すると言われていたら商品は送らなかったので、ウソをついて手に入れたことになりませんか?

これに対し弁護士さん、注文された時点で始めから代金を払わないつもりでいたのかや、転売するつもりがあったのかを立証することは難しいためやはり詐欺とは言えないのです。これは契約の問題なのです。売買取引における契約が守られたか守られていないか、守られていなければ裁判を起こして判決を受けるという流れになります。

メルカリに情報開示請求は可能か

私 当社の商品を出品していたメルカリアカウントが通販利用者と同一人物かの特定をしたいのですが。

弁護士 これについては情報開示請求をすることができます。正当な理由が必要ですが、御社の食品が転売により安全性が損なわれ信用を毀損される可能性があった点で、転売を止めることを求める権利があり、個人情報を特定する必要性がある、という内容で進めることができると思います。

当該メルカリアカウントを削除させたい

私 未払い商品を転売し利益を得ているような人物をのさばらせておくことは許せない、メルカリアカウントを削除させることはできませんか?

弁護士 それはできません、権利侵害はあくまでも当社だけの問題であり当社の商品を転売するのをやめさせることはできてもアカウントを削除させることはできないです。

同業他社さんも同様の被害に遭っている懸念がある

私 そのアカウントでは同業他社さんの商品も扱われていたので同様の被害に遭われている業者さんがいるのではないかと思っているのですが。

弁護士 いるかもしれないけど、あくまでも当社と相手方の問題なのでそこに関してはどうすることもできないです。

代金の回収について

私 今後対応をどう進めたらよいでしょうか、内容証明郵便は必ず必要ですか?

弁護士 まずは内容証明郵便でなくてもメールでもいいので法的手段をとらざるを得なくなる内容を送ります。それでも支払いがなければ少額訴訟を起こすことになりますが、訴訟を起こしてもなかなか回収ができなくて財産の差し押さえが必要になったりする場合もあるので、自分でやるよりは専門家に任せた方がご安心いただけるのではないでしょうか。

 

他に今後の対策として、ネットショップの特定商取引法表記に転売禁止の文言をはっきりと載せたり、後払いの支払い期限を受注返信に明記したりするのがよい、というアドバイスもいただきました。

最後に、今回の件をこちらの弁護士さんに依頼した場合、メルカリへの情報開示請求、未払い代金の回収、当社商品の転売をしない約束を取り交わす、という内容をお任せすることができるとご案内いただきました。

今後自分でどうやって闘っていけばいいかを聞きに来たつもりでしたが、なんかやっぱり難しそう、やはり専門家に任せるべきなのでしょうか。

任せるにはお金がかかります。今回19,656円の売掛金の回収のために(実質的には他に情報開示請求とかもあるけど)弁護士報酬は着手金30万円です。さらにうまくいって回収できたら成功報酬10万円です。その他郵便代、印紙代等、経費実費別途。

金額だけで考えると弁護士への依頼はあり得ないでしょうか。あとは気持ちの問題、あの日から私のハラワタは煮えくり返ったままなので、このまま野放しにして泣き寝入りも絶対にあり得ません。

さあどうする!?

※こちらの記事について。弁護士さんのお話は素人には難しい法律の専門用語が散りばめられており、私が理解できた範囲のことをニュアンスで表現させていただきました。その道にお詳しい方にすれば稚拙な表現になっているかもしれませんがどうぞご理解ください。

つづく。

理不尽な世の中で足掻く・2【警察編】

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2019年10月。

先の注文が入金にならないうち次は送れない、そう思ったのでK県女性名の方からの三度目、四度目の追加注文は発送保留にしておきました。普通なら「注文したのにまだ届かないのですが?」と連絡が来るはずです。何も言ってこないところを見るとやっぱり、後払い扱いで送られて来たらラッキー、そんなつもりに違いありません。

とうとう二度目に送った後払い注文の支払い期限が過ぎ、電話にも出ない、メールしても音沙汰無しです。

私は悶々としながらネットで『不払い』『未払い』について調べてみますが、督促状を内容証明郵便で送る、少額訴訟を起こす・・・知っている事しか出てきません。内容証明郵便は、以前にも不払いがあった時出してはみたものの受取拒否で返送された経験があり、やる気にはなれませんでした。

他にはネット通販における不払い者・未払い者を登録するウェブサイトが見つかり、最悪の場合は利用してみたいなと思いました。

NPO法人 通販未払い防止ネットワーク

Blist 異業種横断ブラックリスト共有サイト

 

今回の件は、通販代金を払わないばかりか取り寄せた商品をフリマで売りさばき利益を得ている点で犯罪なのではないか。ネットで調べても結局よく分からなかったのですが、私はこの時はまだ逮捕されるに値すると本気で思っていました。

考えた末、警察の相談窓口に電話してみました。

 

あーそれは必ずしも詐欺とは言えないんですね、本人の名前や住所が分かっていますよね、もしそれらがウソなら詐欺罪に当たる可能性は出てくるのですが。

んー刑法の犯罪というより民法の契約のモンダイに当たりますので、内容証明郵便の督促状を出して少額訴訟を検討してください。

よろしければ法律のご相談窓口をお知らせしましょうか〜?

 

ハキハキした女性相談員(警察官?)さんが淡々と話してくれた内容には、私が期待していた言葉は何一つ含まれていませんでした。

どう見ても悪い事をしている人なのに犯罪者ではないというのか。

「名前や住所は分かっているけど、家族へのプレゼントだと言って取り寄せたものを転売している事実はどうなの?ウソついてるけど詐欺じゃないの?なんて理不尽な世の中なのーーー!?」(心の叫び)

 

警察の相談窓口が教えてくれた法律の相談窓口は下記。

法テラス

法テラスさんに電話してみると、こちらは個人相談窓口であり今回の件は法人扱いという事で、さらに紹介された相談先は下記。

ひまわりほっとダイヤル 日弁連の中小企業向け弁護士予約サービス

ひまわりほっとダイヤルに電話をかけてみると、弁護士さんを紹介してくれて最初だけ無料相談できるという事でした。

つづく。

 

理不尽な世の中で足掻く・1【メルカリ編】

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2019年10月。

通販客K県女性名の方と、私が見つけたウチの商品を扱うメルカリアカウントが同一人物であることは、いろいろな状況が一致していたのでほぼ間違いないと思いました。

だとしたら代金はどうするつもりでしょう?通販で取り寄せてすぐウチの定価より安く売りさばき、後からこちらに高い金額を支払ってわざわざ赤字になるようなことをするでしょうか?後払いを選び、始めから支払う意思なく取り寄せていることは明らかです。

悪質性が高いと思われましたので、後払いの支払い期限まで2日ほどありましたが、私は急いで株式会社メルカリに調査の依頼をすることにしました。

かくかくしかじかそれらしき人物がいる。転売目的の大量購入はお断りしたいのでなんとか個人を特定したい、個人情報を開示できないならウチの商品が取引された時期だけでもいいので教えてほしい、と訴えました。また、悪質なので今後支払いが確認できない場合アカウントを凍結してほしい旨も伝えてみました。盗品を売るのが違反なら、支払いを済ませていない物、もとい、支払う意思なく取り寄せた物、を売るのも同じ事に思えたからです。

以下は株式会社メルカリからの返答の要約です。

 

お問い合わせありがとうございます。

恐れ入りますが、個人情報保護の観点から、お問い合わせいただいた情報を正当な理由なく開示することはいたしかねます。・・・当該情報の開示を求める正当な理由があるとお考えの場合は、プロバイダ責任制限法等の法令に基づく手続きや、裁判所等の公的機関への申し立て等をご検討ください。

なお、弊社では、開示手続きや手段については指定しておりません。ご自身にてご検討いただく、又は弁護士等の専門家にご相談いただくようにお願いいたします。

※上記手続きや申し立て等を行われた場合であっても、必ずしも情報の開示をお約束するものではございませんので予めご了承ください。

何とぞご理解のほど、よろしくお願いいたします。

 

ですよねー!どこの馬の骨かも分からない人間にそんな簡単に情報渡せませんよねーこの時代。

まずは当たって砕けました。でも私のハラワタはまだまだ煮えくり返ったままです。

つづく。

怪しい注文

初めは代引き、リピートは後払い

ウチの会社は食品関係卸売業ですが小売も少しやっています。

2019年9月。自社サイトのネットショップからの受注です。

最初は普通の注文でした。K県女性名の方から、2商品を1点ずつ、支払いは代引です。特に気に留めることもなく発送しました。

数日後、同じ方から二度目の注文、3商品(うち2商品は前回と同じ商品)で点数が増え、支払いは後払いの郵便振替です。ここでちょっと違和感、ウチの商品は日持ちする食品なので個人消費ならこんなにすぐリピートが来るのはちょっと不自然なのです。それに個人用にしては多めの数だし、後払いか・・・。

こんな時私はすぐ電話をかけます。怪しい注文の時は何度かけても大体電話に出ませんので。ほらやっぱり電話に出ない。でもその日のうちに折り返しメールが来ました。

「仕事で忙しく電話に出られないのでメールで連絡してほしい」

そこで私は注文確認を装って様子見のメールを送りました。前回取り寄せてない商品も複数点注文されたので数量に間違いはないのか、すべて自宅用か包装などは必要ないのか、という内容でやんわりと用途を問います。

すぐに返信が来て、数量に間違いはなく家族へのプレゼントだが包装は要らない、という内容で言葉遣いも丁寧でした。

注文のタイミングと数量の多さはなんか引っかかる。でもK県では百貨店催事に出たことがあるので、もしかしたらその時のお客さんかもしれない、という考えもあったので、注文内容の通り、後払い扱いで発送することにしました。

ところが・・・。

 

怪しい予感が的中

なんとなく腑に落ちない気持ちで送ったK県女性名の方の後払い発送でしたが、それが届くか届かないかのタイミングですぐに三度目の注文が入りました。もはや再々注文!?今度は1商品のみ複数点、やはり後払いの郵便振替が選択されています!

「やられた!」

長年の注文パターンが蓄積された自分の記憶から発せられたメッセージ「怪しい」、商売人の勘は間違いではありませんでした。

また数日後に四度目の注文も来ました。またもや後払い!こうなったら、この前送った分の代金をもらわないうちに次の分なんて送ることはできません。

「なんで同じ商品ばかりこんなにたくさん必要なの?」

「・・・転売?」

ここでふと二文字が頭に浮かび、転売といえばフリマ、フリマといえばメルカリ。私はメルカリのサイトを初めて訪問しました。

キーワード検索、商品画像をスクロールしていくと、そこに、まさに、ありました、ウチの商品が!しかもすでにSOLDOUT表示!K県から発送、の表示もあります!

「マジで!?完全にやられた!!」

一瞬頭の中に雷が落ちてきました。

「ウチの定価より安く売られてるけど当たり前か、払ってないもん丸儲けじゃん!あれ?同業他社さんの商品も?まさか他でも同じことやってるんじゃ?」

頭の中がグルグルした後はものすごい怒りが込み上げてきました。

「これって詐欺でしょ!?支払いが済んでないモノを転売!?最初から払うつもりなんてないんだから、そんなの盗んだ物を売ってるのと同じじゃない!?これは犯罪だろ!!自分で食べるならまだかわいいけど金に替えてるとはね!同じような商品並べて、もしかして他も払わないで踏み倒して今までやってきたとか?!」(注:あくまでも個人的心の叫びです!)

驚きと怒りでハラワタ煮えくり返った私は決めました。

「誰かが成敗しなければ!」

つづく。

私がブログを書こうとしている訳

もう15年、二代目夫に連れ添いこの商売に携わってきましたが、最近とても悔しい出来事が起こりました。

通販における不払いです。

いや初めてじゃないですよ、でも今回はそればかりか代金未払いのウチの商品を転売し利益を得ているらしいことまで判明しました。

「これって詐欺でしょ!?最初から払うつもりもなく取り寄せて転売して!」

これは立派な犯罪ではないのか?誰がどう見ても悪い事してるよね?

ところが今回の事は、詐欺でもなければ犯罪でもない、相談する先々で言われ・・・。

ネットで調べても、通販でお客さん側が被害に遭った内容の記事はよくあるのですが、お店側がこういった被害に遭っている内容のものはあまり多くありません。

なんて理不尽な世の中なの?!こうなったら徹底的にやって、お店の立場から体験談を発信しよう!

今回の体験談を洗いざらいブログに書き記すことで、不払い常習者に手の内を明かすことになりかねないか、それも考えましたが、それ以上に同じような悔しい思いをされているお店さんと是非とも情報を共有したい、そんな思いからこのブログを始めました。